0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「日本統一5」




山本芳久「日本統一5」、

ムショから出てきた本宮泰風は組に戻るとかねてから懇意の小沢仁志の組に入るよう古い榮一の組長に言われる。

話を承諾した本宮だが同じく出所してきたオジキの小沢和義から親を簡単に変えるなと批判され対立することになる。

その後小沢和義は暴走し系列組織を荒らし回り問題になる。




シリーズ5作目。

例によって勧善懲悪任侠映画の短絡には収まらない、どの人物の言い分や立場にもそれなりの考えがあることが描かれた人間ドラマがメインの作品になっている。

暴走する小沢和義にもそれなりの筋があり、古井の忸怩たる兄弟分・小沢和義への思い、組を守るために攻撃に出る本宮の立場や、本宮とは兄弟分だが世話になった小沢和義のオジキにも恩義がある山口祥行の葛藤などが丁寧に描かれている。

最後は対決的な活劇展開になるも、そこにも人間ドラマの葛藤が色濃く重なっており、さすがに今作もよく出来ている。

綿密な人間ドラマの葛藤に主眼を置いたヤクザ映画を作り続けている山本芳久の力量がよく出ている秀作な一篇。 2015/05/30(土) 01:43:33 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)
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