0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「グロリア」

グロリア [DVD]グロリア [DVD]
(2000/04/19)
シャロン・ストーン、ジェレミー・ノーザム 他

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シドニー・ルメット「グロリア」再見、

刑務所に入っていたグロリア=シャロン・ストーンは刑期を終え、恋人の元に帰るが組織の裏切りが待っていた。

グロリアは少年を人質にして二人で逃げるが、実は少年の父は組織の会計係だったが組織の秘密を握るディスクを奪ったため殺され、ディスクを密かに託された少年も捕まっていたのだった。

グロリアと少年は組織の追っ手から逃げ続けるが、身内にも助けてもらえず窮地に陥る。





ジョン・カサベデスの傑作のリメイク。

しかしシドニー・ルメットが監督したとは思えないほど冴えない映画で、キャストはそうでもないが内容は安い中途半端な女極道映画のようである。

とは言え、映画はオリジナルには劣るしこの映画も凡作ではあるが、シャロン・ストーンのグロリア役だけは中々魅力的で、ヴェルサーチェのゴージャス風ドレスがフェロモン満点でストーンによく似合い、中々犯罪映画の裏社会の女キャラをシャロン・ストーンは艶やかかつワイルドに演じていて、はっきり言ってそれと少年の父が殺される件の描写だけで持っている映画である。

まあ確かにこのシャロン・ストーンは場末の飲み屋のママさんかチーママみたいだとも言えなくもないが(苦笑)、役どころが組織の男の女役なんだから、そんな感じであっても別に不自然ではない。

カサベデスのオリジナル版にあった生々しい映画的運動感は希薄になっているし、リアルな生活感はあんまり出てない上、そもそも少年と出会う経緯の描写がオリジナルとは違うのだが、それでもシャロン・ストーンのファムファタール風味のフェロモンと艶やかさでなんとか見ていられないこともない映画である。

いい出来とは言えないが、これが昔の新東宝で作られた、万里昌代や三原葉子、小畑絹子や高倉みゆきなどが主演した女王蜂ものや悪女の犯罪もののような映画だと思えばそう嫌いにもなれない一篇。
2014/02/28(金) 13:45:02 外国映画 トラックバック:0 コメント(-)
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