0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「女弥次喜多 タッチ旅行」

上村力「女弥次喜多 タッチ旅行」、

会社が男尊女卑的傾向にありOLにお茶ばかり汲ませるので、弘田美枝子、牧紀子、岩本多代のOLは反抗するが、高橋とよに言われて会社の男尊女卑傾向に対抗するため弥次喜多のように旅に出ることに。

だが資金が足りず地方の支店に転勤になった男を頼るが、続々と男に貢がせるはずがそうはいかずに予想外の旅になる。







一種の女のロードムービー喜劇映画。

三人の娘が男尊女卑な男社会に対抗するために弥次喜多風の旅に出るという変な話だが、地方支店転勤の男に世話させてタッチ旅行と称して別の男を続々と紹介してもらって優雅な旅になるはずがそうはうまく行かず、想定外の事態にどんどん直面していく展開である。

旅の途中、ギターを持った渡り鳥の吉田輝雄が出てきたり、やたらと強い虚無僧役で渥美清が出てきたりするが、渥美は戦争帰りの全国を虚無僧スタイルで放浪する男だったりする。

トラック野郎の由利徹や博打を打つ三木のり平共々、皆ゲスト出演っぽく出てくる。

途中弘田美枝子が劇中歌うが、三人娘が歌い踊るシーンもちょこちょこある。

やはり三人の中では一番美人の万里昌代似・牧紀子が美しく目立っている。

牧紀子は一番都会的なルックスだが性格のドライさも見た目に合っているし、その美しさが映画に艶を与えている。

何でこれが男尊女卑社会に対抗する旅なのかよくわからんが(苦笑)たぶん女だって自分たちの力でなんとかなるということかもしれない。

しかしその不明瞭な行き当たりばったりの旅路感がロードムービーっぽさをよく煽り立てている。

吉田輝雄は旅の途中三人娘を全員たらしこむが、途中遭遇するカップルの顛末に三人は関わることになるもその辺は妙にバタついた描写である。

最初はビッチなOLの集まりみたいだった三人が徐々に人助けをしたりしてヒロインらしくなっていくが、渥美清が車寅次郎的な存在なのにこちらでは妙にカッコいい役どころだったりする。(でも三人には過去に捕らわれた人とだけ端的に思われているようだが)

最後はOLのお茶汲みは廃止されたようで、男女均等の職場になりつつあることが暗示されて終わる。

随所にコミカルなアニメが挿入されたりもする、わりとまとまったロードムービー喜劇の一篇。


スタンダードを唄う(紙ジャケット)スタンダードを唄う(紙ジャケット)
(2005/03/16)
弘田三枝子

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2013/04/30(火) 12:39:36 松竹 トラックバック:0 コメント(-)
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