0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「ケランハンパン」

 寒竹ゆり「ケランハンパン」、

 チョ・ソヨンはソウルで働く一人暮らしの翻訳者だが、まだ30歳にして処女だった。

 別に処女を守ってきたわけでもないが、急に性欲が高まっていた。

 ある時ソウルの街をめぐる日本人カメラマン・村上淳の通訳の仕事をするが、村上は写真に撮る女性を口説きまくり、ソヨンはその村上の口説きやナンパの言葉の通訳をやらされる羽目になっていく。




 

 30歳で処女の女性を描いたコミカル喜劇映画。

 村上淳がやたらと女を口説きまくるカメラマン役にピッタリ合っているが、チョ・ソヨンも真面目で仕事は出来るが、いつの間にか性に対して遅手になってしまった通訳女性の役を好演している。

 村上が下品な口説き言葉を彼女に通訳させるところはコミカルだが、ちょっとそこに女性が男性優位の社会で働くことのキツイ部分が諷刺的に出ているとも言える。

 しかしチョ・ソヨンは別に自らの性欲を否定してもおらず、処女だって全く守っているつもりもない、まあ普通に処女喪失をいい年まで逃してしまっただけの女性なので、村上の口説き言葉を通訳し、果ては村上の他の女性とのベッドでの愛語まで通訳するうちに、村上の相手の女性がSEXによって自然体になっていくのを見知り、自らも自然と性欲を発散し、村上に誘われるままベッドに向かい3Pの絡みとなっていく。

 このシーンでそれまでコミカルに演じていたチョ・ソヨンの表情が一気に女の表情になるところがちょっと出色である。

 まあ結局絡みのシーンは随分あっさりとしか描かれないし、全体的にもイマイチ地味というか盛り上がりの薄い単調さを感じる映画だが、それでも役者陣の好演もあって、それなりにまとまってはいる一篇。





寒竹ゆり監督作。佐々木希主演作だが意外と佳作
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佐々木希、谷原章介 他

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2013/03/31(日) 13:57:45 その他 トラックバック:0 コメント(-)
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