0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「泥棒番付」

 池広一夫「泥棒番付」、

 江戸末期、勝新太郎は泥棒で鳴らした男だったが、ある時新選組の抗争を目にする。

 その後幕府側の内田朝雄に呼び出された勝新は指がないことからオランダ屋敷に忍びこんだ泥棒の濡れ衣を着せられる。

 その後うどん屋をやる勝新はそこで新選組の一派に出会うが、一緒にうどん屋をやっていた青山良彦や娘には実は隠れた正体があった。

 勝新は徐々に倒幕騒動の裏の陰謀に巻き込まれていく。



 

 勝新主演の幕末活劇。

 新選組が出てきて、勝新はそれを客観的に見ていて巻き込まれる泥棒役だが、オランダ屋敷の泥棒の濡れ衣を着せられるも、犯人は新選組一派の中におり、最終的にはその犯人にたどりつく。

 幕末の倒幕騒動の陰謀や、裏の格闘を描きつつ、その横で勝新が動き回る活劇になっていく。

 徐々に普通の泥棒活劇が幕末の政治的闘争の様相となり、それがメインになっていく映画であるが、勝新は役によく合い、わりとよくまとまった映画になっている。

 泥棒番付というタイトルは世を騒がす連中はみんな自分と同じ泥棒みたいなもんだという勝新の本心を表しているようだが、それは結局誰もが政治的に偉そうなことを言っても私利私欲じゃないかという批判から来ている言い方なのだろう。

 多少皮肉も効いている一篇。


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勝新太郎、天知茂 他

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2012/01/31(火) 14:55:44 大映 トラックバック:0 コメント(-)
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