0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「半分処女とゼロ男」

 佐藤佐吉「半分処女とゼロ男」、

 板倉チヒロの警官はある時自分のことだけを忘れてしまう記憶喪失になり、同時に人々の頭に数字が見えるようになる。

 後輩警官の山本浩司から試し試し自分のことを聞き出そうとするが、家に帰ると前に予約していたらしいおさわりなしのデリヘル嬢がやって来たりする。

 その後額の数字の謎は、ヤったSEXの数ではないかと思い始めた板倉は、自分の額に0が出ることから自らが童貞であることを察知し、そこで同じく額に0や0.5などの数字が出ている処女とおぼしき女性と結ばれようとし始める。




 青春Hシリーズセカンドシーズンの一作。

 佐藤佐吉らしい発想とお話、展開がかなり色濃く決まっていて、異色喜劇映画としても中々の出来である。

 主役の板倉チヒロの奇妙で強烈な個性が妙に映画の異色な喜劇性によく合っていて、この個性と映画の設定や展開の面白さの融合ぶりはわりと絶妙だったりする。

 途中から額に見える数字の意味が違うことが発覚し、そこからまた新展開を迎えて、後半は前半にちりばめられた不思議な状況への解答が描かれているようでもある。
 
 ただその辻褄の合わせ方がちょっと説明的というかパズルのピースをはめ込んでいくような感じになっているので、どこか無理して映画をまとめに入ってるような感じもするのだが、とは言えそれでただ退屈になってしまうことはなく、最後まで奇妙な展開を持続させて見せている。

 無茶苦茶に散乱しているようで、実はきちんと筋が通っているだけに、この後半の妙なまとめに入ったような感じは映画の魅力を半減させているとは思うが、それでも意味合いが絶えず引っ繰り返る蛇行ぶりには面白みがわりとあり、飽きさせずに見せる映画になっている。

 佐藤佐吉作品らしい個性と魅力は中々出ている佳作な一篇。


極道恐怖大劇場 牛頭 [DVD]極道恐怖大劇場 牛頭 [DVD]
(2003/07/11)
哀川翔、吉野きみ佳 他

詳細を見る
  2011/11/30(水) 14:08:48 その他 トラックバック:0 コメント(-)
次のページ