0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「日本一の殿様」

 萩原遼「日本一の殿様」、

 ある殿様は水戸光圀の漫遊世直しの話を聞き、自分も光圀のようになろうと思ったのか、勝手に一人世間に飛び出す。

 しかし金もないのに籠に乗ったために無賃乗車で奉行所に突き出されてしまう。

 その後身分を隠して生活し、庶民の仲間になって皆から「トノちゃん」と呼ばれて親しまれるようになるが、この殿を亡き者にしてお家を乗っ取ろうと企む連中が、殿を狙っていた。

 だがその頃殿は知り合った娘に惚れられて仲良くなっていた。



 
 水戸黄門を目指した?殿様の漫遊的時代劇。

 であるので、基本的には喜劇タッチなのだが、まるでダイジェスト版のように省略的に描写が飛びまくり、それがどこか今風に見えるほどだが、結局はベタな喜劇的時代劇である。

 殿様が最初気が狂ったように家出するので、かなりおかしな映画になる予感はするが、やはり最後は善悪の構図がはっきりしてハッピーエンドとなる。

 殿の言葉使いが徐々にトノちゃん時代に覚えた江戸っ子べらんめえ調に変わっていくのだが、いわば若い殿の成長譚と庶民を武家が思いやるようになるプロセスを水戸黄門漫遊記的展開で描いた映画とも見える。

 冒頭はゴチャゴチャしているが、その後は意外とあっさりスッキリ描かれている一篇。


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2011/07/31(日) 11:17:23 東宝 トラックバック:0 コメント(-)
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