0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「女の決闘」

 金丸敏「女の決闘」、

 ある時モデルの天草博子が殺され、その現場に姉の城実穂がいたが、彼女は警察の質問においてもその事を証言しなかった。

警察は嵯峨善兵のモデル関係の男や、天草と関係があったとおぼしき玉川伊佐男にも当たるが、そのうち玉川が殺され、城が妹の復讐に殺したのではないかとにらむ。

 城は拳銃を買っており、ますます容疑が濃くなるが、いよいよ真相を告白し始める。


 

 NTV製作で新東宝配給の「犯罪捜査」シリーズの一作。

 パルプな犯罪映画テイストのものが多いこのシリーズの中で、この作品はミステリ的な要素の強い作品になっている。
 
 最初、さも妹殺しは姉の犯行のように見せておいて、最終的にその姉の回想的証言によって真犯人が割り出されていく展開は、ちょっと「コールドケース」を想起させる。

 玉川伊佐男らがいかにもクールな悪漢然としているが、意外にも殺された妹が中々食わせ物のビッチ女で、そもそも自分から玉川を誘わなければレイプもされていないし、ブルーフィルムにも撮られないで済んだのに、その後も恐喝してくる悪党玉川を逆に脅すような真似をして殺されており、その辺りにはノワール映画的なテイストが垣間見えたりもする。

 刑事たちの硬質な捜査、わりと整然とした構成などが良く、ミステリ映画としての見せ方にもそれなりに醍醐味がある。

 リアルさを追求した低予算犯罪ミステリ映画だが、それなりに面白く見られる佳作な一篇。


新東宝名画傑作選 DVD-BOX IV -エロティックサスペンス編-新東宝名画傑作選 DVD-BOX IV -エロティックサスペンス編-
(2005/08/24)
前田通子、三原葉子 他

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  2011/06/30(木) 14:25:15 新東宝 トラックバック:0 コメント(-)
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