0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「生きていた野良犬」

 
『生きていた野良犬』『生きていた野良犬』



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舛田利雄「生きていた野良犬」、

 二谷英明は世話になった組の会長が死に、その刺客も死ぬが、組を再興するという(刺客を殺したらしい)実の兄の身代わりに刑務所に入る。

 だが出所の前に兄が殺されてしまい、出てきた二谷は復讐に燃えて、二本松寛や芦田伸介が怪しいと睨んで探りを入れる。

 刑務所内で自分を殺しに来た深江章喜が芦田の近くにいることからもさらに疑惑が膨らむが、ある時二本松を狙った二谷は目の前で芦田らに二本松を殺され、その罪を着せられ逃亡することになる。



 
 ダンプガイと呼ばれた二谷英明の日活ハードボイルドアクション映画。

 後の「特捜最前線」のジェントルさとはほど遠いほど、この二谷はやたらに血の気が多く凶暴で、兄を殺した奴を突き止めるためにひたすらバイオレンスの連続である。

 陰影に富んだハードボイルドにスタイリッシュな映像が映画によく合っているが、途中高品格が証言するシーンは急に話を聞く二谷の姿が闇に隠れ、まるで高品が一人喋りしているように描かれ、ちょっと鈴木清順的なことをやっている。

 スタスタとスピーディーに展開していくが、最後には二谷の兄の正体も発覚し、やっぱりヤクザはみんな汚くて虚しい、という終わり方をする。

 日活アクション的ではあるが、そうルーティーンにはまったパターン的な出来でもなく、新東宝犯罪映画並みに扇情的なダンスシーンなどもよく出てくる。

 それなりの面白さはある一篇。

2011/05/31(火) 13:45:21 日活 トラックバック:0 コメント(-)
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