0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「まり子自叙伝  花咲く星座」

 松林宗恵「まり子自叙伝  花咲く星座」、

 小学生のまり子は入院している母親の熱を下げるため、氷を無理やりもらってくるが母は死ぬ。

 その後産婆のところに預けられたまり子は結局女学校に行かせてもらえず久保明にほのかな恋心を抱く。

 時代は戦争突入のころで空襲に遭い、まり子親子は再会し劇団を作って公演するようになるが、その後まり子は歌手になろうと奮闘し、それを父や兄の池部良が支援する。

 浅草の舞台で踊っている時に注目されたまり子は日劇の舞台に立てるようになるが・・・。



 まり子が戦中、終戦後を通して舞台で活躍するために奮闘する姿を描いた映画。

 宮城まり子に屈託のないさわやかさがあるので、夢や希望を追うためにかなり露骨なことをやる姿などこれだけ見せられれば、そんなもんお前の勝手な欲望だろ・・・と言いたくなるところだが、あくまで歌が歌いたい、舞台に立ちたいというまり子の気持に他意がないので好感を持って見ていられる。

 途中空襲に遭う夢を見ても愛する久保明に告白されるロマンスを思ったり、逆境になってもド根性ネエちゃんみたいに暴れるところもなかなかいい。

 結局努力が実って大きな舞台に立てるようになったまり子が気のあるそぶりは見せるものの実は他の女と結婚していた久保明のことを知って失恋し絶望的になり、大舞台に穴を開けようとするが池部の助言でなんとか立ち直り舞台に出て映画は終わるが、やはり宮城まり子の嫌みのないキャラが映画自体を救っているというか盛り上げている映画である。

 紆余屈折あるものの、その意味でさわやかに楽しく見られる佳作な一篇。



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森繁久弥宮城まり子

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2010/08/31(火) 13:30:51 東宝 トラックバック:0 コメント(-)
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