0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

「抱寝の長脇差」

 山本晋也「抱寝の長脇差」、

 これは山中貞雄の失われたデビュー作をコレクターに見せてもらって見ているという山本晋也監督が再現的に映像化した作品。

 あくまでサイレント風味を生かし、役者も画像も実に古い味を出している。

 正式な映画作品というわけではないだろうが、それでも冒頭の林のショットから立ち回りのカット割りや最後の人情豊かな終わり方に至るまで、今の時代にサイレント映画をノスタルジックに映像化したりする傾向によく見られる温さがあまりない。

 たぶん山中作品を見た記憶を基に映像化しているのだろうが、妙に山中っぽいショットもあるし、どのシーンもわりと気合いの入ったショットが続いて簡潔に語られる。

 山本晋也監督作、という意味でも昔はピンク映画で鳴らしていた人だが(滝田洋二郎の師匠)、これが久しぶりなので、その点でも興味深い一篇。



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  2010/03/31(水) 13:56:16 その他 トラックバック:0 コメント(-)
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