0線の映画地帯 鳴海昌平の映画評

『破門組 Ⅱ』




金澤克次『破門組Ⅱ』、

破門組の組長・原田龍二は、木更津で暴れる若いチンピラギャングにヤクザ組長の堀田眞三が殴られたため、堀田の依頼でギャング一派を懲らしめるが、ギャングのリーダーは巨大組織組長の実子だった。

破門組はその組長に慰謝料と組長引退を要求する。

しかし次にまた堀田の依頼で、破門組の木村圭作が中国人の悪党組織を退治に行くも、これは罠で、相手はチャイニーズマフィアとプロの殺し屋であり、実は大組織による報復だった。

圧倒的な結束力の破門組に危機が迫る。




破門組シリーズの2作目。

破門組の面々はクールなリーダー原田龍二をメインに、マッチョな松田優、武闘派の木村圭作、男色の宮本大誠、ダンディな川本淳市と皆キャラが立っていて、それぞれがコミカルな上に魅力的なチームだが、2作目では大組織に靡いた堀田の裏切りに遭い、窮地に陥る。

結束力の強いチームなのだから、危機になっても、まあ一人一人死んで行く終わり方を想像させたのだが、しかしながら、なんとチョロっと出てくる大組織の藤巻潤に言いくるめられて、破門組のメンバー2人が最後に裏切り、結局メンバー同士で殺し合って、破門組崩壊でエンドとなる。

一応生き残った原田と、原田を逆恨みしていたのに、不本意ながら原田を助けた中丸シオンの二人が新たな破門組ということになって終わるのだが、別にテキトーに寄り集まってるヤクザの愚連隊の結末が内部分裂の殺し合いで終了ならそう意外でもないが、破門組はまるで特撮戦隊ヒーロー集団並みにメンバーがそれぞれコミカルにキャラ立ちしてまとまっていただけに、なんとも意外な終わり方だなとは思わせる。

尚、パッケージの大沢樹生は文字通りの友情出演で、チョロっと出てくるだけである。

後半はわりとハードなアクション展開になる、一応捻りはある一篇。 2017/10/07(土) 00:06:28 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)

『虎狼の大義2』




浅生マサヒロ『虎狼の大義2』再見、

武闘派ヤクザの竹内力は、本来は敵対している捜査四課特別対策班の刑事・今井雅之と手を組むことになるが、それが災いしてか竹内の仲間が死に、竹内は今井を殴る。

今井が故意に裏切っていたわけではないことを知る竹内だが、その後も暴力で解決しようとする竹内と刑事としての信念で行動する今井はぶつかりながらも絆を結び、ついには刑事とヤクザで兄弟分の盃を交わす。

その後、ヤクザと癒着していた警察上層部に竹内の組の人間は殺されていき、裏切り者まで発覚したことから、竹内の怒りにさらに火がつき、竹内、今井の最終決戦が始まる。




シリーズ続編にして完結編。

似た境遇で生まれ育ったヤクザと刑事が兄弟分の盃まで交わすようになるが、結局最後はヤクザと繋がる警察上層部と竹内、今井の抗争となる。

裏切り者が、後半正体を露わにして最終の抗争に突入していく。

ちょっとこの時期ウエイト増量気味だった竹内力と、今井雅之両方とも適役で好演しているし、先輩刑事の諏訪太郎や、怪しい伊藤洋三郎も役に合っている。

前作より展開が派手になり、最終的にはヤクザ抗争に刑事が巻き込まれて犠牲になっていく辺りはちょっと変わっている。

また竹内が抗争に突入するため、堅気になるように勧めた子分の大久保貴光が、実家の母に電話し、今後は堅気として幸福に暮らしていくのかと思わせるも、ヤクザ抗争とは何の関係もないヤク中で、前に大久保が善意で説教したグレート義太夫に刺されて死ぬ末路なども描かれている。

しかし全体的には、ちょっとバリエーションの違う展開になっているだけで、それほど異色というか新味な出来という感じではない。

死んだ兄弟分の残された妻・川村亜紀を密かに守っている竹内が、川村が働く花屋の店主に支店を持たせるからと身体を要求されたため、怒って花屋を殴り逮捕されると、今井が花屋を脅して訴えを取り下げさせる場面は、明らかに刑事の職権乱用だが、しかしまあ花屋が狡猾な奴なので、別にこれはこれでいいだろうとは思わせる。

竹内は殴り込みに行く前に、長年両想いだったのだろう川村と結ばれるが、川村亜紀は昔は軽いグラドルだったが、それから時を経て、いい感じにしっとりしたテイストとなっているのもあってか、わりと竹内の相手役に足る好演をしている。

定番なものからの多少のマイナーチェンジは随所に見受けられるが、やはり全体的にはまあまあな出来といったところの一篇。 2017/09/26(火) 00:06:11 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)

『初体験物語 未果のラブラブ大作戦』




田村孝之『初体験物語 未果のラブラブ大作戦』、

女子大生の未果=愛斗ゆうきは高校時代から知り合いでもないサーファーの江口拓也に遠くから片思いしていた。

憧れの江口一途なため、愛斗は20歳になってもヴァージンだったが、幼なじみの村田宏一郎も童貞だった。

しかし村田を好きになった女性がいて、それは愛斗の友達だった。

愛斗は江口が管理するペンションで、村田が入っているサーフ部の夏合宿を行う事を知り、サーフィン未経験ではあるが憧れの江口にヴァージンを捧げるために無理矢理サーフ部に入部する。

その後サーフ部は合宿に行き、そこで江口と会った愛斗は舞い上がり、村田や他の部員も巻き込んで脱・ヴァージンを果たそうと奮闘する。




女子大生のラブコメ映画。

まあ内容的には絡みのシーン有りの、少女マンガの軽いやつみたいなものである。

江口に憧れていたはずの愛斗が徐々に幼馴染の村田の気持ちに気がつき、本心では愛斗も村田に気があったため、最終的には幼馴染のヴァージンとチェリーボーイがくっ付いてハッピーエンドという、いかにもなテンプレ純愛ラブコメである。

しかしサーフ部の他の脇役カップルの恋愛の経緯も同時に描き、江口とメロメロになっている愛斗の恋愛展開も描かれる。

江口拓也は同名の人気声優とは別人だと思うが、いかにもモテモテそうなイケメンプロサーファーのリアリティー満点なので、王子様役に中々合っている。

江口は前半は爽やかイケメンサーファー風で、後半徐々に裏の顔が発覚してきな臭くなっていくのだが、悪人の素顔が暴かれた時「(プロサーファーという)好きなことで生きていくっていうのは大変なんだよ」と漏らし、そこにちょっと青春の挫折や影が感じられ、結局悪役なのに中々印象深い存在感である。

テンプレドラマではあるが、それぞれの人物の気持ちを脇の脇までわりとちゃんと描いているし、悪役の描き方もよく、そんな中での愛斗と村田のテンプレ純愛話なので、そう安いドラマという感じもしない。

まあ大した作品ではないが、それでもそれなりに見てはいられる一篇。 2017/09/16(土) 03:43:04 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)

『裏切りの仁義』




片岡修二『裏切りの仁義』、

大組織傘下の組長・白竜は、経営する闇カジノで暴れるヤクザを叩きのめした客の品川祐が、仕事がないので組に入れて欲しいという希望を受け入れ、品川を組に入れる。

だが実は、品川は大組織壊滅の指揮を取る木村祐一の警部に送り込まれた潜入捜査官だった。

木村と品川は教会で落ち合い、いつも連絡を取り合っていく。

ある日品川は、チンピラに絡まれている川村ゆきえを助けるが、彼女は白竜が行くクラブのホステスで、自然と2人は付き合うようになる。

品川が潜入して1年が経った頃、大組織の若頭・隆大介の組に賊が押し入り、賊はある情報を入手するが、その後警察はその情報から隆を逮捕する。

かねてから組織内で対立していた隆の逮捕によって、組織は白竜とは懇意の菅田俊に任せられることとなり、白竜らは喜ぶも、しかし決して漏れるはずのない情報が漏洩したことや、賊が入ったことを怪しんだ白竜は、品川や菅田の子分を呼び出し、賊の正体を探るが。




ヤクザと潜入捜査官を描いた作品。

品川祐はこの手の役はわりと合うので、随分カッコイイ役をやってるなとは思うものの、潜入捜査官とヤクザの間で揺れる役どころを中々好演している。

大組織壊滅を狙う警部役も同じく芸人の木村祐一だが、こちらも風貌が警部役には合っているので、固い芝居だが悪くない。

後半には川村ゆきえの意外な正体も発覚するが、まあそう意外性のあるドラマというわけでもないが、それなりにミステリアスな展開にはなっている。

片岡修二作品にはピンク映画時代から常連の下元史朗がこの作品にも出ており、どっちつかずのセコいヤクザ役を演じている。

その他、阿部祐二が現在の本職と言える中継レポーター役で特別出演し、諸星ダン=森次晃嗣も出ている。

基本、白竜と品川の関係性がお話の中心であるが、白竜には親分らしい貫禄があり、品川にも真面目なところがあるチンピラ風のテイストがあって、潜入捜査官とヤクザの間の葛藤のドラマがそう不自然さもなく描かれている。

白竜に品川の正体がバレて以降の展開が終盤に少し描かれて終わっていくが、全体的にわりと簡潔かつスッキリした出来である一篇。 2017/09/05(火) 00:06:33 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)

『COLDBLOOD 三つ巴の抗争』




佐藤太『COLDBLOOD 三つ巴の抗争』、

暴対法でヤクザが生き辛くなった今の時代に、街では若い半グレ集団のRED CROWが派手に暴れ回っていた。

警視庁管轄・生活安全課の刑事、中野英雄は荒れた街を屋上からよく見下ろし、立ち小便をしていたが、後輩刑事の中山麻聖と共に犯罪を取り締まるような顔をしながら、裏ではヤクザの品川祐と繋がっており、RED CROWの女リーダー中山こころとも取引し、まるで街の闇の黒幕のような存在になっていた。

ある時、半グレ共にナメられて憤慨した品川は、過去に破門した元ヤクザの阿部亮平にRED CROWを襲撃させる。

だが、裏では中野が闇の絵図を描いていて、事態は錯綜的な抗争に突入していく。




中野英雄が自ら企画した、タイトル通り、三つ巴の抗争に発展していく作品。

中野はトボけた演技をしながら、実は不気味な支配者として描かれ、主役だが何をするわけでもなく、ただ黒幕的なマニュピレーターとして影の存在のように暗躍する。

追い詰められ、生き辛いヤクザ役を品川祐が中々好演しているが、監督としても才能ある品川だが役者としてもこの手の役はよく似合う。

同じ佐藤太監督、中野英雄主演の『半グレVSヤクザ』では、凶暴な半グレ役を演じていた山根和馬はこちらでは不甲斐なく身動きとれないチンピラヤクザ役で、阿部亮平の凶暴な元ヤクザ役もわりと不気味でいい味を出しての好演である。

三つ巴の抗争が北野武の『アウトレイジ』的錯綜感で展開し、わりと隙なく展開する三面抗争の流れが中々面白い。

中野は黒幕として、この三つ巴抗争自体の展開を俯瞰から、わからないように操っている、ちょうど監督のような役どころで、そんなスタンスの中野が真ん中に位置しているので、錯綜したややこしい展開が、明確かつスッキリ見られるところも良い。

野性爆弾のくっきーや、嶋大輔、小沢和義、山本竜二が脇を固めている。

わりと面白味のある、飽きさせない展開が魅力の佳作な一篇。 2017/08/26(土) 01:33:42 Vシネマ トラックバック:0 コメント(-)
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